「神主の年収って、低いの?」
「実際、いくらもらえるの?」
気になっている方も多いと思います。
結論から言うと、神主の年収は決して高いとは言えません。そして、神社によって大きな差があります。
私の年収は、額面で394万円です。
日本の平均給与(約460万円)と比べると、やや低い水準です。
新卒で入ってきた後輩と同じ基本給だと知ったときは、さすがに納得できませんでした。それでも、受け入れるしかありませんでした。
ただ、地方の神職という仕事の特性を考えると、極端に低いわけでもありません。
この記事を読むと分かること
・神職のリアルな年収と手取り
・ボーナスや手当、福利厚生
・結婚や子育てはできるのか
・神職の働き方と将来性
・神主になる前に知っておきたい現実
この記事では、現役の神職である私の実体験をもとに、正直に解説します。
※あくまで、地方の神社で働く30代の神職の一例です。
私の年収・手取り・ボーナスを公開
まずは、私自身の収入を公開します。
・年収:394万円(額面)
・手取り:月24万円前後
・閑散期:手取りが20万円に届かないこともある
・ボーナス:年2回(手取りで30万円と15万円前後)
この数字を見て、どう思いましたか?
月によって給料がブレる理由
給料は、月ごとにかなり波があります。理由は、その月に大きなお祭りがあるかどうかです。
私が奉職している神社では、大祭や行事がある月には手当が出ます。さらに神葬祭が入ると、神葬祭の手当も大きく入ります。
反対に、大きなお祭りや行事がない月は、基本給と外祭(地鎮祭など、神社の外で行う祭典)の手当だけになります。
正直、それだけだと、生活はかなり厳しいです。
新卒の後輩と同じ基本給だった
それを思い知ったのは、職場で昼食をとりながら、お金の雑談をしていたときでした。
新卒で入ってきた後輩と、私の基本給が同じだと分かったのです。
「20代前半で、30万円を超えていたのに」
正直、そう思いました。手取りが20万円を切る月が出てきたときは、なおさらです。
それでも、この業界は「こういうもんだ」と飲み込むしかない。それが今の実感です。
会社員を解雇されてから神職になるまでの経緯は、こちらで書いています。

手当・福利厚生
神職の待遇は神社によって違いますが、私の場合は次のとおりです。
・家族手当:結婚後に支給(月3万円)
・住宅手当:なし(ある神社もある)
・交通手当:条件付きで支給
・社宅:用意されている神社もある
・社会保険:基本的に完備
・その他:お米や野菜・果物などの現物支給
お祭りごとの手当
基本給とは別に、お祭りごとに手当が出ます。
・七五三の時期は、七五三の手当
・地鎮祭や命日祭などの外祭に行くと、初穂料のうち何割か
・外祭でお食事代(御膳料)をいただいた場合は、まるまる自分の分
企業と同じような最低限の制度はありますが、大手企業のように手厚いとは言いづらいのが、正直なところです。
昇給と、宮司になった場合
私が奉職している神社では、年3%ほどの昇給があります。
収入が大きく変わるのは、やはり自分が宮司になるかどうかです。
宮司の給料は、神社本庁の規定で等級ごとに上限が決まっていて、一番上の等級でも月55万円ほどだと言われています。
私を今の神社に誘ってくれた、講習会の同期がいます。その同期の実家は小さな神社で、宮司をしているお父さんの年収は、600万円くらいだったと聞いた覚えがあります。
一方で、宮司になると責任も大きくなり、「休みなんてない」という話もよく聞きます。
・職員(禰宜・権禰宜):比較的安定している
・宮司:収入は増えるが、自由は減る
という構図になりやすいです。
神社によって年収・待遇の差が大きい理由
神職という仕事は、どの神社で奉職するかで、すべてが変わります。
その理由の一つが、神道の特徴にあります。
神道には特定の教祖や絶対的なルールがなく、地域ごとにお祀りの形や運営の仕方が違います。
参拝者が多い大きな神社と地方の神社では、収入も大きく変わります。大きな神社では、年末年始だけで1年の収入の多くを得るとも言われています。
当然、そこで働く神職の待遇や働き方も変わってきます。いわゆる「神社ガチャ」が、年収も働き方も人生も大きく左右します。
・同じ神職でも年収差が大きい
・常に人手不足で、過酷な環境もある
・働きやすさも運次第
神社界は、本当にいろいろと厳しい業界です。神職の多くは兼業しないと生活できないと言われていて、神職だけで生活できているのは、ほんのひと握りです。
この年収で生活できる?結婚・子育ては?
一人暮らしなら大きく困らない
正直に言うと、少しきついと感じることはあります。
理由の一つは、奨学金の返済です。その影響もあって、貯金はあまりできていませんし、余裕がある生活とは言えません。
ただ、一人暮らしなら、大きく困るレベルではありません。奉職している神社は都会ではなく地方都市なので、この年収でも一応生活できています。
生活できるかどうかは、「職場環境」と「地域」次第、というのがリアルなところです。
結婚・子育ては「できるけど、余裕はあまりない」
私の感覚では、「できるけど、余裕はあまりない」というのが正直な答えです。
世の中には、年収400万円以下でも家庭を持っている人はたくさんいます。ただ、「余裕のある暮らし」を求めるなら、少し厳しく感じるかもしれません。
副業はできる?
収入が低いと、「なんとか副業で稼ぎたい」と思いたくなります。でも、神職の副業は、正直あまり自由ではありません。
・外で働くのは難しいことが多い
・勤務時間の関係で両立しにくい
地域によっては兼業が当たり前の神職もいるので、副業ができる場合もあると思います。ただ、私のような専業の神職が副業をすると、いろいろと問題が出てきます。
一番の問題は、顔が知られていることです。
「え? ここで何してるの?」
そうなったら、即終了です。
奉職している神社の宮司さんの顔に泥を塗ることになります。
収入面が気になる方は、休日や働き方も見ておくとイメージしやすいです。
それでも神職を続ける理由
お金だけで見れば、割に合わないと感じる人もいると思います。
神職の多くは、実家の神社を継ぐ人です。厳しい状況を覚悟して、自分の代で立て直そうとしています。
でも、私には継ぐ神社がありません。普通の会社員から神社の世界に飛び込んだので、お給料だけで考えれば、選ばないほうがいいかもしれません。
それでも、次のようなことに価値を感じる人にとっては、とてもやりがいのある仕事です。
・地域とのつながり
・人生の節目に関われる役割
・日本の文化や歴史、伝統に関わること
小さな神社だと、小さな会社の社長のような立場になります。自分の手腕次第で結果がすべて返ってくることを楽しめる人は、向いていると思います。
そして私自身、神職の仕事は性に合っていたと思います。
営業職のように常に数字に追われることも、利益だけを追い求めてプレッシャーに押しつぶされることもありません。
よくある質問
神主の年収は全国共通?
→ 違います。
神社の規模や地域、立場(宮司・禰宜・権禰宜)によって大きく変わります。
神主は公務員?
→ 違います。
神社は宗教法人なので、神職はその宗教法人の職員です。
神職だけで生活できる?
→ 神社によります。
私は神職だけで生活していますが、神職の多くは兼業していると言われています。
ボーナスはある?
→ 私の神社では年2回あります(手取りで30万円と15万円前後)。
まとめ
神職は「高収入を目指す仕事」ではありません。
でも、お金だけでは測れないやりがいや、人とのご縁を感じる場面がたくさんあります。
職場環境は、神社によって大きく変わります。
だからこそ、表面上のきれいなイメージだけで選ばず、よく調べて、自分が納得できる状態で選んでください。そうすれば、後悔は少なくなるはずです。
「お金のため」だけで選ぶ仕事ではないからこそ、「奉職」と言うのだと思います。それでもやりたいと思える人にとっては、間違いなく意味のある仕事です。
神職になる方法や、神社の仕事の裏側は、こちらで書いています。


年収だけでは語れない、私が神職になるまでの話は、noteの「人生立て直しシリーズ」で書いています。

ここまで読んでくださり、ありがとう。
良い一日を。

