
みなさんは、神社に行くことはありますか?
多くの人が、初詣などで年末年始に訪れることが多いのではないでしょうか。
日本には伊勢神宮や明治神宮のような有名な神社もあれば、地域に根ざした小さくて古い神社も数多く存在します。
そして神社を訪れると、巫女さんのほかに水色・紫・白などの袴(はかま)を着た人物を見かけることがあります。
その人たちこそが、神主(神職)です。
この記事を書いた人
佐助|現役神職|元サラリーマン
神社本庁認定の神職養成機関で学び、現在は〇〇の神社で神職として奉仕中。サラリーマンから転職し、神主になるまでの実体験をもとに情報発信しています。
▶ はじめまして。現役神主の佐助(さすけ)です。 | 佐助の経験Blog2
今回の記事は、元サラリーマンで現神主の筆者が、神主になる方法と裏情報をご紹介します。
神主になる3つの方法 それぞれの特徴と難易度

神主になるには、大きく分けて以下の3つのルートがあります。
実家が神社でなくても、どの方法でも資格取得・就職は可能です。
① 神職養成機関に進学する(高校・大学卒業後)
- 対象:高校生~大学生、時間と学費をかけてしっかり学びたい人
- 内容:國學院大學(東京)や皇學館大学(三重)などの神職養成課程で、約2~4年間学びます。
- メリット:資格+学位が同時に取れ、就職にも有利。
- デメリット:時間・費用の負担はやや大きめ。
② 講習会で資格を取得する【筆者はこのルート】
- 対象:社会人・学生など
- 内容:神社本庁の認定通信講座「神職養成講習会」を受講し、
一ヶ月の短期講習+試験で資格を取得。 - メリット:働きながらでも学べる。費用も比較的抑えられる。
- デメリット:独学要素が強く、サポートは少なめ。
③ 神社に就職し、実務を通じて資格を取る
- 対象:働きながら資格を目指したい人
- 内容:実務経験を積みながら、講習で資格を取得します。
- メリット:現場経験を積みながら学べる。住込みも可能な神社あり。
- デメリット:受け入れ先探しが難しく、待遇はピンキリ。

日本全国にある神社のほとんどは、「神社本庁」と呼ばれる統括組織に属しています。
この神社本庁に所属する神社で奉仕(=就職)するためには、神社本庁が授与する神職資格が必要です。
昔ながらの神職の家系(=社家)の子供であっても、今の時代は資格を取らなければ“正式な神主”としては認められません。
もちろん子ども時代から祭典を手伝ったり舞を奉納したりと、伝統的な関わりはありますが、「働く」には資格が必須です。
方法は3つ
『神道系大学』『神職養成所』『講習会』
筆者は神職の家系ではありませんでした
筆者は代々神社を継いできた「社家」の出身ではなく、父が神主資格を持っていただけという、限りなく一般家庭に近い環境で育ちました。
神社関係の知り合いもおらず、「講習会を受けるには推薦状が必要」と知ったとき、まず“神社関係者と繋がること”から始めなければならなかったのです。
しかも、私が頼りにしたかった父は他界しており、神社界に直接相談できる身内もいませんでした。
それでも、チャンスはゼロではありません。
実は神社界も「後継者不足」の時代
全国の神職は約2万人とされていますが、文部科学省の調査によれば、神社の数は約8万5千社あると言われてます。さらに、登録されていない小規模な神社を含めると、実際の数はそれ以上と言われています。
つまり、多くの神社が後継者や奉職者を必要としているのが現状です。
「神社に縁がないから無理だ」とあきらめるのは、まだ早いです。
筆者も“ゼロからのスタート”で神主になりました。
神社とのご縁を一歩ずつ自分で築き、仕事は休職して講習会に挑戦し、資格を取得しました。
そして現在は現役の神職として奉仕しています。
だからこそ、この記事ではリアルな体験と現実的なステップを包み隠さず紹介しています。
もし、あなたが「神主になりたい」と思うなら、きっと道は開けます。

通信講習会で資格を取得するには? 筆者の体験を交えて
「えっ、神主の資格って1ヶ月で取れるの? じゃあ、それが一番ラクそう!」
そう思う方は多いと思います。
実際、お笑い芸人の狩野英孝さんもこの方法で資格を取得されました。
でも、実はこの方法こそ3つのルートの中で一番ハードルが高いと思います。
実際にこの方法で資格を取得しましたが、講習会に申し込むまでの道のりが本当に大変だったんです。
最大の難関は「推薦書」の取得
通信講習会に参加するには、2通の推薦状が必要です。
- 奉職(就職)予定の神社からの推薦状
- その神社を管轄する都道府県の神社庁からの推薦状
どちらも、いきなり書いてもらえるわけではありません。
まず神社に連絡し、面談や必要書類の提出を経て、ようやく推薦をいただける流れです。
そして、神社庁でも同様の手続きと審査があります。
これら全てを講習会の申込締切までに終わらせなければならないため、スケジュール管理は必須です。

講習会は年2回のみ。タイミングを逃すと半年待ち
たとえば國學院大學の講習会は年に2回。
社会人として働きながら準備を進めていたので「この時期を逃したら次は半年後」というプレッシャーも大きかったです。
講習自体は1ヶ月でも、そこにたどり着くまでの準備は、綿密に逆算しなければなりません。
アドバイス
もし神社関係者や宮司さんと少しでも繋がりがあるなら、迷わず早めに相談することを。
私も当初はまったくツテがありませんでしたが、信頼関係を築きながら、少しずつ道が開けていきました。
「1ヶ月で資格が取れる」という言葉の裏に、事前準備の大変さがあることは知っておいてください。
「神社で働いてみたいけど、いきなり就職はちょっと不安…」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方には、巫女さんや神社のアルバイトという選択肢もあります。
実際に現場での雰囲気を体感できる貴重な機会で、将来の就職にもつながる第一歩になります。
「神主を目指す前に、まず一歩踏み出してみたい」という方に、きっと参考になるはずです。↓↓
神主になる方法 まとめ
時間をかけさえすれば、難易度はそこまで高くありません。
厳しい筆記試験や精神修行のようなものはないので、ある意味「現実的に目指しやすい資格」とも言えます。
あなたがこれから神主を目指すにあたって、少しでも参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとう。
良い一日を。