神主を目指しているけれど、「神主になるには神社の家系じゃないと無理??」「30代からでは遅いのでは?」と思っていませんか。
私も当時は同じ不安を抱えていました。
結論を言うと私は神社の家系ではありませんが、30代から神職になった現役の神職です。
神主になる方法は3つ
| あなたは? | おすすめ |
|---|---|
| 高校生・進学予定 | 神道系大学 |
| 社会人・転職したい | 神職養成講習会 |
| 神社で働いている | 奉職しながら資格取得 |
神社の家系ではなくても、30代からでも神職を目指すことは可能。
ここからは、私自身が神職になるまでの体験も交えながら、それぞれの方法を詳しく紹介していきます。
それまでの人生は順風満帆とは程遠く、転職を繰り返し、試用期間で解雇されたこともありました。
「自分には向いている仕事なんてない。」
本気で思っていました。そんな私でも神職して奉職しています。この記事では、次の事を分かりやすく解説します。
・資格取得までの流れ
・年収や仕事内容
・講習会ルートの実体験
神主の仕事は、ご祈祷だけではありません。実際の奉仕内容については、こちらの記事で一年を通した仕事の流れを紹介しています。
→ 【永久保存版】神社のお仕事を現役の神職が分かりやすくご紹介。 | 神主の本音ブログ
神主になるには神社の家系じゃないと無理?
基本的に誰でもなれます。
神社の家系は特に関係ないです。
私の父親は自営業でしたが、ごくごく普通の家庭で唯一違うのは、父親が神職資格も持っていた、です。実家に神社は無いですし、皆さんと同じように初詣の時に神社に行くぐらいでした。
神社業界は後継者不足?神主不足の現状とは
文化庁の調査によれば、神社の数は約8万5千社あると言われています。さらに、登録されていない小規模な神社を含めると、実際の数はそれ以上と考えられています。
しかし、全国の神職は約2万人程度。
神社の数に対して神職の数が圧倒的に少ないです。特に地方では非常に後継者不足に悩む神社が多いです。一人の神主が何社も兼務している事例があります。神社界は常に後継者を求めています。
「神社に縁がないから無理だ」とあきらめるのは、まだ早いです。
神主になる上で血筋や家系は関係ないです。ただ神社界に入ると、元皇族や五摂家にゆかりのある方々、高い格式を持つ神社の方々と出会うことがあります。
その時だけは「やっぱり別世界の業界だな」と感じる場面も正直あります。
もしかしたら「神社で働いてみたいけど、いきなり就職はちょっと不安…」という方も多いはずです。そんな方には、巫女さんや神社でのアルバイトで神社を知るという選択肢もあります。
実際に現場での雰囲気を体感できる貴重な機会で、将来の選択肢にもつながる第一歩になります。
「神主を目指す前に、まず一歩踏み出してみたい」という方に、きっと参考になります。
神社のアルバイトは巫女だけ?現役神職が仕事内容を解説 | 神主の本音ブログ
神主になるには?現役神職が方法を解説

「来月から神主として生きるわ」と決めても、神主になるのは不可能です。
資格がなければ、神主の格好をしていても正式な神職にはなれません。
例外はありますが、基本的には神社本庁が発行している神職資格を取得しなければいけません。
大きく分けて以下の3つの方法があります。
神主になる方法① 神職養成機関(大学)に進学する
おすすめ
・高校卒業後に神職を目指す人
内容
・國學院大學(東京)
・皇學館大学(三重)
メリット
・神職資格と大学卒業資格を同時に取得できる
・ 神道を4年間かけて体系的に学べる
・神職同士の人脈ができる
デメリット
・学費と生活費の負担が大きい
実家が神社の人はこの方法が王道のやり方でした。この学生時代に全国の神職と知り合えるため、人脈を築けることも大きな魅力です。
神主になる方法② 神職養成講習会で資格を取得する
おすすめ
・30代以降の社会人・転職を考えている人
内容
・神社本庁が実施する「神職養成講習会」を受講する。
メリット
・最短で神職資格を取得できる
・大学へ通い直す必要がない
・社会人でも挑戦しやすい
デメリット
・一定期間仕事を休む必要がある
・推薦してくれる神社が必要になる
神社とは関わりの薄い人生を送ってきた私でも、この方法で神職になることができました。
社会人から神主を目指すなら、最も現実的な方法だと思います。詳しい流れはこちらの記事で解説しています。
【保存版】神主になるには?資格・年収・就職方法を現役神職が解説 | 神主の本音ブログ
神主になる方法③ 神社で奉職しつつ資格を取る
おすすめ
奉職しながら資格を目指したい人
内容
神社へ奉職し、実務経験を積みながら資格取得を目指します。
メリット
・現場経験を積みながら学べる
・実践力が身につく
デメリット
・募集自体が少ない
・神社によって待遇や制度が異なる
代表例としては、伊勢神宮に「神宮研修所」があります。ここで2年間の全寮制で学びます。ただし募集人数は非常に少なく、珍しいケースだと言えます。
たまに「神社検定があれば神主になれますか?」という質問をいただくことがあります。
結論から言うと、神社検定だけでは神職資格は取得できません。
神社検定は神社や神道の知識を深めるための検定であり、神主になるための資格とは異なります。
ですが、受ける価値は十分にあります。神社検定を受験する予定がなくても、神社や神道を体系的に学びたい方には公式テキストがおすすめです。
私自身も、神社の知識を深めたい方の入門書として良い一冊だと思います。
いづれにしても、資格を取るだけでは終わりません。
「神主の仕事って実際どうなの?」
「神主の休みや年収は?」
そこが気になる方も多いと思います。
現役神職の立場から、仕事内容や年収、休日についてまとめた記事もありますので、興味がある方はこちらもご覧ください。
神主になる難易度は?独学では難しい理由
結論から言うと、独学だけで神主になるのはほぼ不可能です。
資格の性質、学べる場所、そして資格を取った後の現実まで、お話しします。
そもそも神主資格は国家資格ではない
神主の資格(階位)は、国家資格ではありません。
神社本庁という組織が授与する、いわば業界内の資格です。学校の資格試験とは仕組みが全く違います。
独学だけでは絶対に無理
作法に関する書籍自体は、本屋や神社関連の出版社から手に入ります。
しかし実際に読んでみると、何を言っているのかさっぱり分からないと思います。
私がそうでした。
見慣れない漢字、旧仮名遣いの文章も使われています。「ゐ」や「ゑ」なんて文字も普通に登場し、戦前の日本語のような言い回しが当たり前のように出てきます。
とにかく現代の私たちにとっては読みにくいです。
祝詞に至っては、独学で書けるようになるなんて、まず無理だと思ってください。
YouTubeで見聞きすることは出来ますが、それを見て自分で一から書くのは無謀です。しかも、知っている漢字の読み方が通常と異なることもあります。
実は私も、神社へ奉職する前、亡くなった父の命日に自分で祝詞を奏上したことがあります。
当時は、祝詞に関する書籍を何冊も読み、「これは良い」と感じた一文をつなぎ合わせ、自分なりに祝詞を作りました。
正しくできているか確認してくれる人もいないまま、一生懸命奏上したのを今でも覚えています。
しかし、神職となった今、その祝詞を読み返すと、内容は正直めちゃくちゃです。
文章のつながりも不自然ですし、神様へ奏上する祝詞として考えると、今では恥ずかしく感じるほどでした。しかも、祝詞は文章を作れば終わりではありません。
どのような声の出し方で奏上するのか。
どこで間を取り、どのように抑揚を付けるのか。
こうしたことも非常に重要で、独学ではなかなか身につきません。
神職となって2年目、父の命日に改めて祝詞を奏上しました。
すると親族から、「去年とは明らかに違うね。」とはっきり言われました。
私自身も、1回目は「これで本当に大丈夫なのだろうか。」という不安を抱えながら奏上していました。
一方、神職として日々奉仕し、実際の現場で学んだ後の祝詞は、自分でも驚くほど自然に奏上できていました。
この経験で強く感じたのは、
独学で学ぶことと、実際の現場で学ぶことには、想像以上に大きな差がある
ということです。
神主を目指す方は、神社の参拝作法についても知っておくと理解が深まります。
→神社参拝の正しい方法とは?二礼二拍手一礼・手水・お賽銭を解説 | 神主の本音ブログ
神主になる為に学べる場所は限られている
では、どこで学べるのか?
最短ルートは、國學院大學や皇學館大学が開催する養成講習会だと思っています。
これ以外だと、大学か夜間部(國學院大學など)に通いながら、昼間は明治神宮で奉職するというコースもあります。
養成講習会の費用については、講習会代・教科書代・登録料などを合わせて、イメージとしては車の運転免許を取得するくらいの金額だと思ってもらえれば良いです。
簡単に理解出来ない神道や神社の基礎知識に先に触れておくと、現場や講習会での理解度は雲泥の差になります。
私自身も事前に本で神様の名前などを少しずつ覚えました。また時間が経つと忘れるので、今でも読み返しています。
眠れなくなるほど面白い 図解 神道: 起源から日本の神様、開運神社まで楽しくわかる!
結局、現場で覚えることの方が多い
これは実際にその通りです。
奉職して実際にやってみて、上司から直接アドバイスをもらうのが一番の学びになります。
例えるなら、泳いだことがない人が教科書と動画だけ見て「実際に泳げますか?」と聞かれたら、絶対に無理ですよね。簡単に溺れます。
神主も同じです。
奉職している神社の宮司や禰宜も口を揃えて「奉職してからじゃないと何も分からない」と言います。
先ほどの父親の命日のエピソードが、まさにそれを証明しています。明らかに違いが出るんです。
資格を取った後の方が大変、という現実
意外かもしれませんが、資格を取ることよりも取った後の方が大変だったりします。
多くの神職は兼業をしていることが多いです。地域や神社の規模によりますが、それだけで生活していくのが楽ではないケースも少なくありません。
また別の意味で大変なのは、奉職した神社によって神社本庁が定める作法が異なっていたり、神道に対する考え方が宮司によって違っている場合もあります。
実際に奉職して学んだことが通用せず「今まで学んでいたのはなんだったの?」と思いたくなる瞬間が多々あるそうです。
とにかく神社は超現場主義です。
私の場合は、奉職して2日目で厄祓いのご祈祷をさせられました。
ちょっと神社の職場環境や収入の仕組みなど普段は見えない裏側は、こちらで紹介しています。
→ 神社の知られざる裏側とは?現役神職がリアルを正直に解説 | 神主の本音ブログ
社会人経験者が感じた、神職世界の”ズレ”
社会人を経験してから神社の世界に入った私が、正直「ズレてるな」と感じる場面があります。
大学卒業してそのまま神社の世界に入る人も多いため、正直、世間知らずな人がいるのも事実です。
また、いづれ自分の実家(神社)を引き継ぐので「一国一城の主」のような感覚になりやすく、いわゆる殿様気質のタイプも少なくありません。
社会人から神主になることはできる?
もちろん出来ます。
落ちこぼれが、今は神社に奉職しています。
社会人経験も年齢もリセットされる。ものを言うのは「神主歴」
社会人経験があっても神社の世界に入ると、完全に新人として扱われます。これは社会人経験の有無や役職は、ほぼ無意味になります。
神社界で絶対なのは「神主歴」です。
入った順番がそのまま序列になる世界です。逆に言えば、年齢が若くても在籍年数が長ければ、年下でも大先輩というケースは普通に存在します。
逆転できるのは、血筋や神社の格式とかですが、それらは僕らには基本的に関係ありません。
奉職先探しは、私が一番苦労したことでした
私の場合、一番苦労したのは「奉職先探し」でした。
本来であれば、神職資格を取得する講習会へ参加する際には、奉職予定の神社から推薦状をいただく必要があります。
つまり、「奉職先が決まる」→「講習会へ参加する」という流れになります。
しかし、私自身は事情があり、推薦していただいた神社へは奉職せず、一から奉職先を探すことになりました。
ところが、一般企業のように転職サイトで「神社求人」を検索しても、ほとんど見つかりません。
まずは自宅から通える神社を一社ずつ調べ、ホームページを確認し、採用情報があるかを確認するところから始めました。
候補となった神社は約10社。
その中で実際に足を運び、「神職として奉職させていただけませんか。」と直接お願いした神社は2社でした。
そのうち一社は、父の神葬祭で大変お世話になった神社です。
改めて神葬祭のお礼をお伝えし、「ぜひこちらで奉職したい。」とお願いしました。
しかし、お返事は「年末年始だけならお願いできるけれど……」
という内容で、私が希望していた条件とは合わず、泣く泣く諦めました。
その後も範囲を広げながら神社を探し続けましたが、約3か月間は思うように進みませんでした。
神職養成機関(大学)とは大きく違う点
神職養成機関(大学)へ進学した場合は、少し事情が異なります。
全国の神社から求人が届くため、その中から自分の希望に合う神社を選ぶケースが多くあります。
また、代々神社を継ぐ家系やご縁のある神社へ奉職するなど、自然に奉職先が決まる方も少なくありません。
これから神職を目指す方へ
私の経験から一つお伝えしたいことがあります。
「資格を取得すれば、すぐに奉職できる」と考えない方が良いということです。
神社によって採用状況も異なりますし、ご縁やタイミングも大きく関わります。
だからこそ、「ここで奉職したい」という神社があるなら、まずは足を運び、ご縁を大切にすること。
これが、私が実際に転職活動を経験して感じた一番の学びでした。
人とのご縁が道を開いてくれた
私の場合、最終的に奉職先が決まったきっかけは、養成講習会で知り合った方とのご縁でした。
年齢でも、前職の経歴でもありません。
資格を取得する過程で生まれた人との繋がりが、新たな道を開いてくれたのです。
振り返ると、神職という世界は「人とのご縁」をとても大切にする世界だと感じています。
色々と不安に感じることもあると思います。
私自身も、「本当に神職になれるのだろうか」と何度も悩みました。それでも、一歩踏み出さなければ何も始まりません。
まずは行動してみること。
その一歩が、新しいご縁につながり、未来を大きく変えるかもしれません。
神主資格は最短で取れる?
やはり神職養成講習会です。約1か月で取得が出来ます。
ただし、次のような準備が必要になります。
・奉職予定神社を決める
・奉職する神社と神社庁の面談を受ける
・2通の推薦状をもらう
・仕事の休暇を調整する
私の感覚では、準備期間を含めると半年くらい見ておく方が安心です。実際はそこに至るまでの準備の方が大変でした。
神主になるには?神社本庁の階位制度を解説
神主として神社で奉職するには、神社本庁が定める「神職階位」という資格が必要になります。
主な階位には次のようなものがあります。
・浄階
・明階
・正階
・権正階
・直階
神職資格取得と同時に階位を得られます。大学と講習会では異なりますが、講習会で取得した者には「直階」を得られます。
これに関しては特段気にする必要はないです。
まずは、どのような方法で取得するかを考えるべきです。
現役神職の体験談 未経験から神主に
私の場合は父親以外に神社関係の知り合いもおらず、「講習会を受けるには推薦状が必要」と知った時点で、まず現役神社関係者と繋がることから始めなければなりませんでした。
しかも、頼りにしたかった父親はすでに他界しており、気軽に相談できる身内もいませんでした。父親が在籍していた神社に連絡を取り、面識が薄い状態から頭を下げてお願いしたのを覚えています。
このとき痛感したのが、「先に奉職先が決まらないと、推薦状の話はそもそも始まらない」という現実です。
これを知らずに「講習会に参加すればいいや」と考えてしまうと必ず躓きます。
それでもチャンスはゼロではありません。神主になるには確かに壁もありますが、方法を知り一つずつ進めれば道は開けます。
だからこそ、この記事ではリアルな体験と現実的な神主になる方法を紹介しています。
最大の難関は「推薦状」の取得
2通の推薦状が難易度を上げています。
1.奉職(就職)予定の神社からの推薦状
2.その神社を管轄する都道府県の神社庁からの推薦状
どちらも簡単には貰えません。
まず奉職したいと思っている神社の面接や必要書類の提出をクリアして、ようやく神社庁でも同様の面談と審査に進みます。
これら全てを講習会の申込締切までに終わらせる必要があります。
推薦状が揃ってない状態で講習会に申し込んでも落とされるだけです。
徹底したスケジュール管理を求められます。
講習会は年2回。タイミングを逃すと半年待ち
たとえば國學院大學の講習会は年に2回です。
社会人として働きながら準備を進めていたので、「この時期を逃したら次は半年待たないといけない」というプレッシャーを感じていました。
講習自体は一か月でも、そこにたどり着くまでの準備は、綿密に進めるべきです。
最新の情報だと、國學院大學の講習会を受講する為の試験が追加されたそうです。
この記事では書ききれなかった、一社目を解雇されてから神主になるまでのもっと生々しい話は、noteの「人生立て直しシリーズ」で綴っています。
半年間布団から出られなかった話、推薦してくれた神社から「自由にしていいよ」と言われて奉職先を失った話。ブログでは書きにくい部分も、noteでは飾らずに書いています。
神主になるには?資格取得までの流れまとめ
神社の家系じゃなくても神主になれる?
→ なれます。
神主になるのに年齢制限はある?
→ 國學院大學が開催している講習会は原則65歳まで。
女性でも神主になれますか?
→ なれます。性別は関係ありません。
神主は全国どこでも働けますか?
→ 全国どこでも奉職出来ます
神主の平均年収は?
→ 神社によってかなり差があります。
神主の年収については、現役神職の立場から別記事で詳しく解説しています。気になる人はコチラをチェックしてください↓↓
ここまで、神主になるための方法や制度について解説してきました。
ただ、制度や方法だけでは伝わらない部分もあります。神社の家系でもなく、順風満帆でもなかった人間が、なぜ神主という道を選んだのか。その心境の変化は、noteで少しずつ書いています。
神主になるには? まとめ
正直に言うと、大学入学や講習会に参加できれば、現実的に目指しやすい資格です。
「神主になりたい」と思ったその気持ちが、最初の一歩です。
あなたがこれから神主を目指すにあたって、少しでも参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとう。
良い一日を。


