
神社に行くと神主さんを見かけますが、
「普段どんな仕事をしているの?」と思う人も多いと思います。
神主(神職)の仕事は大きく分けると次の3つです。
・神事やご祈祷を行う
・神社の管理(清掃・準備など)
・社務所での対応や事務作業
この記事では、現役神職の経験をもとに、神主の仕事内容を分かりやすく紹介します。
神前結婚式、地鎮祭、安産祈願、初宮詣、七五三、神葬祭… こうして並べてみると、私たちの人生の大切な瞬間に神社が寄り添っていることが分かります。
しかし、ご祈祷は単なる「儀式」だけではありません。
神社に訪れる方の多くは、何かしらの願いごとや不安を抱えています。
「無事に出産できますように」
「無事に合格しますように」
「家族が元気で過ごせますように」・・・など
そんな思いに寄り添い、心を軽くするのも神職の役目だと言えます。
神主の仕事というと、神事をしている姿を思い浮かべるかもしれません。
しかし、実際には、掃除や準備など地味な仕事もかなり多いです。
大きな神社になると、部署ごとに分かれて同じ内容をひたすらすることになりますが、
私自身は中規模の神社に奉職しているので、境内の掃除から落ち葉や雪かきをすることもあります。 時には大工作業や重機を扱うこともあります。
神事は華やかに見えますが、その裏では地味な準備作業が必要です。
神社の祭事
人生儀礼のご祈祷以外にも、神社では祭事は色々とあります。例えば祀っている祭神に関する祭事もありますし、年末年始に時期に斎行される祭事もあります。毎月斎行される月次祭(つきなみさい)も絶対に欠かさず斎行しています
そして、地域によっては数百年続く伝統行事も存在します。
神主の仕事① 厄払い
一般的に厄年とは災難の年だと捉えている人が多いと思います。「前厄」「本厄」「後厄」って聞いたことありますか?
ある年齢になると、厄年が男女関係なく訪れます。
「厄年は良くないことばかり起きる年だから、ちょっと祓ってもらうか」と思った人々が神社に参拝します。
厄年は良くない年だとに印象付けるような書き方をしましたが、人生の変化が訪れる年が「厄年」だと考えています。
厄年になると、知らず知らず小さな変化が起き続けるから、今まで通りにいかないことが増えてしまう。
だから「災難続きだ」と感じてしまうので、厄年≒災難だと誤解するんだと思います。

今までの人生とは違い、次のステージに上がるための変化が起きる年が厄年だと考える方が良いと思います。
女性の厄年を例に考えると、18歳19歳20歳32歳33歳34歳36歳37歳38歳・・・が厄年に当たる時の年齢になります。
特に十代の年は、かつて結婚や出産の年齢でした。現代だと大学進学や就職、結婚が当てはまると思います。
厄払いの方法
① 神職が祝詞(のりと)を奏上
②祓いふを使って厄を移す
②-①名前と年齢を書かれた祓いふに、1年分の厄を移す。
③ 神社に奉納し、お焚き上げ
時期によっては用意された所で自分でお焚き上げをする。
上記が大まかな厄払いの流れです。
一応、厄払いの指定日はありますが、いつでも受けて大丈夫です。
ただ毎年何名か現れるのは、年末が近づいていた頃に駆け込みで厄払いを受ける人達です。
厄払いは、その年限定の厄を払うので「残りわずかで新年を迎えるから意味無いんじゃないのかなー」と思いつつご祈祷しています。
厄年ではないけれど、不運が続いている場合は?
「実は厄年じゃないけど、最近悪いことが続いている…」と感じることもある人は、「攘災招福(じょうさいしょうふく)」の祈願祭を受けることができます。
これは災いを祓い福を招くためのご祈祷です。
厄年では無い人が厄払いをする参拝者用のご祈祷だと思ってください。
神主の仕事② 安産祈願祭
母子の健康を願い、無事な出産を祈願する儀式です。
妊娠から出産までの約280日間で母体は大きく変化し、新たな命を育む準備を進めます。
現代の医療技術が発展した日本でも妊産婦の死亡率はゼロではなく、2020年の統計では10万人あたり2.7人が亡くなっています。
これは年間にすると20~30人ほどに相当し、決して軽視できる数字ではありません。
妊娠した奥さんは、授かった命の喜びとともに体の変化や出産のリスクを考えれば、不安も抱くのは当然です。
だからこそ、
母子ともに健康で無事に出産を迎えられるよう心を込めてご祈祷を行っています。
「お持ちであれば、腹帯の持参か身に付けた状態でお越しください」と言われると思います。
真新しい腹帯や引き継がれた腹帯を持っていくと一緒にお清めの祓いをしてくれます。
神主の仕事③ 初宮参り(お宮参り)
初宮詣(お宮参り)は、生後一ヶ月の赤ちゃんを神社に連れて行き、神様に誕生を報告し、健やかな成長を祈願する人生儀式の一つです。
この習慣は平安時代から続いていると言われており、地域によっては「百日詣り」などの形で行われることもあるそうです。
男の子が生後32日目(または31日目)、女の子は33日目にお参りすると言われてますが、地域によって異なります。
ただ、これは一つの基準であって、忙しい現代社会の我々にとっては、仕事の関係や夫婦の都合があると思います。
一番重要なのは我が子の健康です。
お宮参りの服装について
母親は和装(訪問着や色無地)を選ぶ方が多く、父親はスーツが一般的です。
祖父母も一緒に参列することが多いですが、動きやすさを考慮しながらも、きちんとした服装を選ぶケースが多いです。
また赤ちゃんは「祝い着」(掛け着)を身につけることが一般的で、夫の母(姑)が抱くのが習慣になっています。
これもまた地域によって、母方の祖父母が用意する習わしもあるそうです。
・男の子が黒地の紋付き
・女の子は友禅の晴れ着
記念写真を撮ってから神社に来るご家庭やご祈祷が無事に終わった後に、神社で記念撮影を撮るご家族も多いので、やはり服装はキッチリとした方が良いです。
ご祈祷中の写真撮影について
ご祈祷中の撮影については、神社や神主によって対応が異なりますので注意が必要です。
神聖な儀式の最中にカメラを回すことは控えるべきと考える神社も多く、強めの注意を受けることがあります。
撮影が禁止または制限される理由には以下の通りです。
神聖な場の秩序を守るため。
神職の集中を妨げないため
他の参拝者への配慮
また、禁止されているにもかかわらず撮影を続けると、裏で「あの家族はマナーが悪かった」と思われることがあります。せっかくのおめでたい日に大人が注意を受けるのは避けて欲しいです。
本当にマナーが悪い方々は、マジで嫌われます。
もし撮影を希望する場合は、事前に神社へ確認することをおすすめします。
神職として嬉しい瞬間は、「かつて安産祈願をした夫婦が無事にお子さんを出産し、再び初宮詣でお参りに訪れてくれること」です。
申し込み書にご記入する際に「あのー安産祈願の御守りと御札ってどうすれば・・・」と言われて、引き取った時に「無事に出産して良かったねー」と心の中で思っています。
神主の仕事④ 七五三
三歳と七歳の女子、五歳の男子の成長を神様に報告しこれからも見守ってもらう神事です。
一般的には11月15日とされています。しかし、最近は参拝客の都合に合わせて10月~11月頃まで神社が対応するようになっています。
諸事情で七五三のご祈祷を受けない選択しても問題はありません。
お参りして記念撮影するだけでも十分OKです。
神様に無事に我が子が成長していることをご報告をすることが大切です。

この時も神主の我々は「もうこんなに成長したんだ」と喜び、時間の早さを実感します。
神主の仕事⑤ 地鎮祭
家を建てる前に土地の神様に工事の安全と、家屋ここに住む方々の繁栄を祈る重要な儀式です。
都心部だと滅多に見れないと思いますが、地方都市でも件数は減少しています。中小規模の神社にとっては貴重な収入源の一つで、お供え物を頂けると非常に嬉しいです。
地鎮祭を終えると、建主さん家族は「これから家が建つんだ」といった明るい表情になり、施工会社の人にとってはスタートなので、表情が真剣になります。
地鎮祭のマナーや知っておきたいことを詳しく知りたい人は是非読んでみてください。
神主の仕事⑥ 交通安全祈願と車の清祓
購入した車やバイクの交通安全を祈願します。
お祓いをする専用のスペースで行なうことが多く、御社殿でご祈祷後に車の清祓いをします。選んでもらったお守りをボンネットの上にちょこんと置いてから清祓いを斎行します。
別に新車限定にしていません。
新たに手に入れた車なら中古車でも問題ありません。「これから乗るから事故なく安全に運転できますように」と言う気持ちで参拝者は神社にいらっしゃいます。
超都心部の神社なら、家が買えてしまうレベルの高級車も来るようですが、筆者の地域だと乗用車以外にトラクターや大型トラックなどの場合があります。
神主の仕事内容 まとめ
私たちの生活において、神社は重要な節目に関わっています。
縁結びから神前式(結婚式)、安産祈願、初宮参り、七五三、地鎮祭、神葬祭(葬式)に至るまで、私たちの生活は神道と深く結びついています。
「なんかなー」とモヤモヤした時に神社を散歩がてら訪れて、季節を感じて癒やされてもも良いところです。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
良い一日を。


