神葬祭とは?現役神主が解説|流れ・マナー・失礼にならないポイント

神社のこと

今回は、神道の葬儀である神葬祭を、元サラリーマンで現役の神職がご紹介します。

神葬祭で最低限覚えておくべきことは3つです。

・焼香ではなく玉串奉奠を行う
・拍手は音を立てない(忍び手)
・香典は「御玉串料」と書く

心身ともに大きな影響を与えるストレスは、家族の死だと言われています。

あなたは人間が亡くなると、御霊(魂)はどこに行くと思いますか?天国や地獄に行くのか、やっぱり生まれ変わりをして、全く違う新たな人生を歩むと思いますか。それとも”無”ですかね。

人生で一回経験するかしないかレベルの神道の葬儀である神葬祭で、抑えておきたいポイントをお伝えします。

神道の葬儀 神葬祭とは

神葬祭に参列したことがある人は結構少ないと思います。

葬儀と言えば仏式のお葬式を思い浮かべて、どんなことに気をつければ良いか対応できますが、神葬祭は分からないことだらけだと思います。

神葬祭の特徴は大まかに3つあります。

厳かで慎み深く簡素
各地域特有の特徴がある
制約が少なく費用も抑えられる

安産祈願、初宮詣、七五三など人生の様々な場面で、関わりのあった神社(氏神さま)の神職に神葬祭を執り行うことで、人生儀礼の最後を締めくくります。

神道の葬儀 作法&マナー

さて、神葬祭に参列中に何をするのか知っておきたいハズです。

参列者が行うことは、斎主一拝玉串拝礼だけです。

・斎主一拝
コレは祭儀の初めと終わりに一礼するものです。参列者のタイミングで起立して一礼するのではなく、神職が丁寧に案内するので、指示に従って動けば問題はありません。

・玉串拝礼
この作法が一番気になるのではないでしょうか。焼香とは全く異なります。

1.神職から玉串を両手で受け取ります。右手で玉串の根本を上から持ち、左手で葉の部分を下から支えるように持ちます。

2.玉串を置く祭壇の三歩手前まで進みます。小さく一礼してから進み、今度は深く礼をします。

3.玉串を祭壇と水平にし時計回りに回して、玉串の根本を御霊前に向けて静かに置きます。

4.二拝(2回お辞儀)、二偲び手(音をたてずに拍手)、一拝して終わりです。

神職が丁寧に説明をします。わざわざみんなの前に出るのが、嫌だなと思う人いるかもしれませんが、あとはみんなで一礼するだけです。

神道の葬儀 神葬祭の流れ

大切な人を亡くすと大きな悲しみに襲われると同時に非常に忙しくなります。

・逝去した当日 
神葬祭を希望するのであれば、神社(神職)に依頼をします。

神葬祭の日程

通夜祭(1日目)葬場祭・火葬・帰家祭(2日目)

※地域によって、祭儀の名前や内容が異なることがあります。筆者が奉職している神社の神葬祭をもとにご紹介いたします。

帰幽報告 枕直しの儀
神葬祭は氏神様に故人が亡くなった旨を報告することから始まります。
この時に神葬祭の依頼書や故人がどんな人物だったかの略歴書、神葬祭の大まかな流れを説明します。

通夜祭・遷霊の儀(1日目)
家族や生前親しかった人が集まり、夜通し故人を偲びます
この通夜祭は日が沈んだ時間帯に斎行します。

葬場祭発棺祭(2日目)
故人との最後のお別れをする祭祀です。
祭儀の流れは通夜祭とあまり変わりません。故人の人柄や経歴、功績を称えて、今後はご先祖様と共に遺族と子孫を見守ってくださるように奏上し発棺祭を執り行います。


火葬場では非常に簡素に執り行います。その日の午後に帰家祭を執り行います。

帰家祭(2日目)
本来であれば自宅で執り行う祭祀ですが、近年は葬儀会場で行うことが一般的だと思います。

筆者が奉職している神社では、通夜祭と帰家祭の最後に挨拶があります。

コレが、神葬祭のザックリとした内容です。葬儀社で行なうのであれば司会者がいますし、何かしてもらう場合は神職が説明するので、難しいことは無いと思います。

神道の葬儀 神主の本音

これは個人の感想ですが、神葬祭は本当に神経を使うので、非常に緊張します。葬儀の電話が来たと分かると社務所内はピリつきます。

大往生で老衰により亡くなられた場合は、
ご遺族も少しずつ現実を受け入れながらお見送りができることが多いです。

しかし、若い年齢でのご逝去や、突然のお別れの場合には、
深い悲しみの中で涙が止まらなかったり、言葉を失ってしまうほどの衝撃を受けておられる姿を目にすることもあります。

時には、あまりの出来事に感情が追いつかず、
静かに佇んでおられるご様子に、胸が締めつけられる思いになることもあります。

神葬祭の現場では、そうしたご遺族一人ひとりの想いに寄り添いながら、
故人様をお見送りする時間が大切にされています。

神道の葬儀 神葬祭が終わった後

神葬祭後に斎行される祭儀は、十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭(納骨)、百日祭、一年祭二年祭三年祭とあります。

特に十日祭と五十日祭(仏教の四九日に相当)には、家族や親族が集まり故人を偲びます。

五十日祭を終えると喪が明けます

そして、多くのご家族は五十日祭を行なう日に納骨をするので、この日だけは祭儀は少し長く時間が掛かってしまいます。

因みに喪が明けるまで神社へのお参りやお祝いごとのイベントへの参加も控えるべきです。喪の期間中に正月を迎える場合は、鮮やかな飾り付けは控えて質素に年を迎えましょう。

もし精神的に優れなくて十日祭なんて出来ない場合は、体調を整えることを優先して欲しいです。神社としては、そんな無理強いはしないので、連絡すれば大丈夫です。

神道の葬儀 穢れと喪

現代においては、穢れや喪は感覚の問題になると思います。

しかし、古代の日本人は相当シビアだったと思います。今は亡くなった人のご遺体は徹底的に管理されますが、昔はそんなことは出来ません。

何らかのウイルス・病原菌が遺族に移っていた場合、その遺族が撒き散らしてしまうと、疫病として甚大な影響を与えてしまうことになります。

だからこそ、昔の日本人はそれを”穢れ”と捉え、人が亡くなると”喪”の期間を設けたと考えられます。

神葬祭 その他

「厳かで慎み深く簡素」と表情しましたが、葬儀は全体的に静かだと思います。神職が会場に入る時や玉串拝礼の時に古典的な音楽を流しますが、それ以外はシーーンとしてます。祭詞を奏上する時も木魚のような道具はなく、神職だけの声が会場に渡ります。

だからこそ、「厳かで慎み深く簡素」なのです。「各地域特有の特徴がある」も、各地域の文化や風習が反映されたり、その神社だけに伝わるやり方などもあると思います。


「制約が少なく費用も抑えられる」は、仏式のお葬式と比べた時のことです。神葬祭でお金を高く支払ったから豪華で壮大な神葬祭になることは別にありません。やることは全部同じです。

故人の帰幽した後の名前を決めることも霊璽に書くことも無料です。年齢や性別で名前で決めることになっているので、高額な玉串料を支払っても平等に名前を付けるだけです。

他宗教を信仰していても良いのか?
問題はありません。多くの場合は仏教徒もしくは無宗教だと考える人たちだと思います。「神道を信仰していないと無理だ。ってことも無いですし、新興宗教団体の信者でも参列は問題ありません。故人の最後のお別れには、ちゃんと参加して欲しいです。

ここまで読んでくれて、ありがとう

良い一日を

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