
「これから神社にお参りしておみくじ引こうかな」
「今度は御朱印欲しいな」と思って、神社に行こうとするも、
「神社のお参りで、正しい作法ってあったかな」
「あれ?神社って二礼二拍手一礼だよね?」
と、分からなくなってしまうことありますよね。
当然ながら「このようなお参りした方が神様に無礼にあたらない」作法がありますし、
もっと細かく言うと「鳥居のくぐる時」や「参道の歩く位置」にも、気を付けたいことがあります。
この記事では、元サラリーマンで現役の神職である筆者が、基本的な参拝方法や手水舎のやり方・鳥居のくぐり方など、神社の参拝に関することを詳しく解説していきます。
この記事を読み終えたら、近所の神社に参拝してみてください。良い出来事が待っているかも。
神社のマナー 鳥居のくぐり方
神社に入口に必ずある建造物が「鳥居」ですね。
鳥居は神様と人間の世界の境界線や神域の入口と言われており、鳥居をくぐり抜ける時にも正しい作法が存在しております。
正しい鳥居くぐり方
鳥居の前で一礼する
鳥居の左右どちらかに寄る
「正中」にお尻を向けないように足をだす
1鳥居の前で一礼する
まず鳥居をくぐる前に「お邪魔します」という意味で、一礼をしましょう。

2鳥居の左右どちらかに寄る
鳥居の真ん中から社殿の中で飾られている鏡までの真ん中を「正中」と呼ばれており、
「神様の通り道」だと考えられています。
鳥居をくぐる時は、真ん中で一礼するのではなく、左右のどちらかに寄ります。
3「正中」から最も遠い方の足から歩き出す
正中は神様が通られる道なので、お尻を向けるような行為は大変失礼にあたります
左に寄った場合:左足を出して歩きだす
右に寄った場合:右足を出して歩き出す
と、正中を意識して真ん中から最も遠い足で歩き出します。
基本的には、この作法で問題ありませんが、神社によっては左右どちらから入るのか・出るのか指定している場合もあるので、それに従ってください。
と、ここまで書きましたが、意識しすぎるとガチガチになって疲れるので、気持ちに余裕がある時にコレを思い出してください。
大切なのは、お参りする気持ちです。
神社のマナー 参道の歩き方
神社の御社殿まで続く道のことを「参道」と言います。
そして神社の境内にある道で階段があれば、階段も参道になります。
先ほどの鳥居のくぐり方で出てきた「正中」は、参道にも同じことが言えます。
参道でも正中を避けて歩くことが望ましいので、左右のどちらかによって歩くようにしましょう。
神社のマナー 手水舎の作法
御社殿の近くに、手と口を清めるための手水舎が見えてきます。
さて手水舎をなんて読みましたか?「ちょうずや」と読みました?
実は「てみずしゃ」と読むのが、神社界としては正しい読み方になっています。
お清めせず穢れたまま参拝してしまう参拝者が最近増えていますが、
必ず参拝前には手水舎で手と口清めて、心身を清めることが重要です。

多くの手水舎には、どの準備でするのか案内があると思いますが、
柄杓あり・なしで作法が変わりますので、それぞれ簡単に説明します。
柄杓ありの場合
- 落ち着いた心で、一礼する
- 右手で柄杓を持って水をすくい、左手を清める
- 左手に持ちかえて、右手を清める
- 右手に持ちかえて左手に水を溜め、口を清める
(直接口を柄杓に付けない) - もう一度、左手を清める
- 柄杓を手前に傾け、持ち手部分を清める
- 柄杓をもとの位置に戻す
柄杓なしの場合
- 心を落ち着かせ、一礼する
- 両手を出し、手を清める
- 両手で水を受ける
- 口を清める
- 両手を清める
上記が基本的な手順になります。
あとは、ハンカチやタオルで上品に拭きましょう。
神社のマナー お賽銭の金額
参拝する時にお賽銭をいれますが、その際に金額をいくらにするかが、一番気になると思います。
有名占い師やスピリチュアル系インフルエンサーが色々と紹介していますが、筆者はソレに関しては否定派です。単なる語呂合わせで、彼らが勝手に言っているだけのマナーです。
お賽銭の金額は「気持ち代でいいです」とお伝えしていますが、もっと正直に言うとお札が嬉しいです。
お賽銭も収入源としては貴重です。
しかし、有名な神社以外だと一日に一本のジュースが買えるかどうかのお賽銭しか入っていないケースもあります。
神社は全国に8万社あり神職の数は約3万人いますが、超有名神社を除いて6割~7割の神職は兼業しなければ生活できないくらい困窮しています。
1000円だけでも非常に助かります。
お賽銭だけでも大きな収入源になる神社でも、他の問題はあります。
それは銀行に預ける際の手数料問題です。
コレが結構ダメージが大きいです。
それぞれお付き合いしている銀行さんで取り決めをしていると思いますが、筆者が奉職している神社はキッチリ手数料が取られています。
せっかくのお賽銭が手数料で消えてしまう可能性もありますし、毎回手数料を支払っていたら年単位で
とんでもない金額の手数料を支払っている場合にもなります。
最近増えてきたのは、封筒にお賽銭をいれてお賽銭箱に入れるパターンです。
筆者の奉職している神社だけかもしれませんが、非常に増えています。
様々な考え方で行っているので、その行為は否定しません。
ただ封筒を破ってお賽銭を取り出すのが非常に面倒です。
金額によって願いに影響あるか気になると思います。
お賽銭や参拝の本来の意味は、「願いが叶いますように」とお願いをするのではなく、
「いつもありがとうございます」と日頃のご加護の感謝を伝えるものが良いと考えます。
神社のマナー 神社の参拝方法
神社からの案内がない場合は、基本の「二礼二拍手一礼」で大丈夫です。
神社によっては拍手の回数が多いなどがありますが、その時は必ず案内の看板があります。
神社参拝の順序
お賽銭を入れる
鈴(鐘)があれば鳴らす
二礼
二拍手
一礼
1お賽銭を入れる
「お賽銭は投げ入れない」と注意喚起している場合もありますが、そっと入れてもカランッと鳴らすように入れても問題は無いです。
これは考え方の違いです。
2鈴があれば鳴らす
「神様をお呼びする」「お清めをする」など鈴には意味があります。ご祈祷によっては鈴を用いる場合もあります。
鳴らすタイミングはお賽銭の前でも後でも問題ありません。一般的にはお賽銭の後に鳴らします。
雑に鳴らさず丁寧に3回鳴らすのが目安です。
3二礼
お辞儀を2回行います。角度は「90度」を目安です。「体が固くてできない」「ちょっと恥ずかしい」とはありますが、可能な限りチャレンジしてみてください。
丁寧に二礼している姿は、本当に美しい姿で、神職の我々もお辞儀が綺麗な参拝者を見かけると、「あの人キレイ」と素直に思うことがあります。

4二拍手
胸の高さで手を合わせ、右手を少し下に(右手の指先が左手の指の第一関節くらいまで)ずらした状態で2回拍手をします。
この時に大きい音を鳴らそうとしなくて大丈夫です。一回ずつ丁寧に行ってください
5一礼
最後にもう一度、お辞儀をします。
ついやってしまうのが、手を合わせながらお辞儀してしまう一礼です。「アレレ。どうするんだっけ?」となるので、二拍手したら手を戻してお辞儀します。
神社のマナー 参拝に関するよくある質問
・参拝時の服装は
暑くなるとおしゃれサンダルや露出の多い服装が増えますが、参拝だけならギリセーフです。
しかし、厄払いや七五三などの御社殿でご祈祷を受ける場合は、控えた方が良いです。
神社によりますが、ご祈祷を受けれないか追加料金を支払って靴下を購入してもらうこともあります。
神社には目上の人のお宅に行く服装をイメージするといいです。
・御朱印の正しいもらい方
御朱印は参拝した後に、いただくのが一般的は良いです。
参拝してもないのに「御朱印くださーい」と来たら、嫌な顔されるか怒られます。
御朱印集めが趣味の人もいますが、神社にお参りする目的を履き違えると不快な思いをするかもしれないので、ご注意ください。
・おみくじ
気になるおみくじを引いた後、そのおみくじを結んでも良いですし、持ち帰っても大丈夫です。
おみくじは年に一回だけだと思っている人もいますが、いつでも大丈夫です。
・お守りはいくつ持っててもいいのか?
問題ありません。
「欲しい」と思ったものや直感的に「コレが良い」ものを選んでください。
なにか気になることがあれば、神職やその他の職員が丁寧に説明してくれます。
お守りの収入は神社にとっても有り難い収入源になるので、ぜひ購入してください。
・神社から出る時
神社から帰る時に鳥居をくぐる際には、クルッと向きを変えて「お邪魔しました」の気持ちを込めて一礼をします。
神社のマナー 神社の参拝方法まとめ
以上が神社の参拝方法の紹介になります。
今すぐ全部完璧にする必要はないです。徐々に身につけていけば良いかなと思います。
地域や神社によって多少の違いがあるところもあります。
今回紹介したのは参拝方法の基本の部分です。
これを読んで敷居が高いなと思わないでください。神社はいつでもふらっと来て良い場所です。
ここまで読んでくれて、ありがとう。
良い一日を。